神社

お題:神社/ミノカラ松十四松小説

俺は松野カラ松静寂と孤独に包まれる男だ。そんな俺だが俺の他に5人の兄弟がいて案外煩く普段は過ごしている。特に今日は兄弟たちの機嫌が悪かったのか俺がいつものようにキメていたら五月蠅いだの邪魔だの挙句の果てにはまたしても痛いと言われてしまった。俺はハリネズミのようにいつの間にか兄弟たちを傷つけていたらしい、何とも罪深い男だそう思うだろう?

「ぜんっぜんわかんないっす!」
「…そうか」

兄弟を傷つけてしまったと傷心していたところに偶然いた十四松とともに帰路につこうとしているところなのだが今日は兄弟だけではなく辺りも騒がしい。気になるなと十四松と共に騒がしい所につけばそこは神社だった。屋台がありどうやら今日は祭りらしい。少しよっていこうと何やらぼんやりしている十四松の手を引いて階段をあがる。何歩か歩いたところで十四松の足がとまった。

「兄さん」
「どうした?」
「やめよう」
「祭りだぞ?お前も好きだろう。なんなら、ブラザーたちを呼んでからがいいか、優しいお前のことだ俺と二人だけで楽しんだとなると心が痛むだろう。一度帰って浴衣にでも着替えてブラザーたちと共に出直そうか」
「…うん、それがいいかも」
「はは、やっぱりな!俺は空気も読めるいい男、松野カラ松だ」
「…」

階段を下り帰路につく。暫くすれば自宅が見えた。

「ただいま、ブラザー」
「ただいマッスル!」
「おー、おかえり」
「ブラザーたちに朗報だ今日実は○○神社で祭りがやっていたんだ」
「はぁ?○○神社ぁ、あそことっくの昔に潰れて今廃墟になってるよ」
「そうそう。鳥居なんて崩れてさぁ可哀想にねぇ」
「え」

あの時俺が見えていた景色を十四松にはどう見えていたのだろう。
「兄さん」
「十四松」
「僕にもね、お祭りちゃんと見えたよ!…でも、いっちゃダメって思ったそれと…なんだか見えた人たちが人間には見えなかったかも」

あぁ、やはりあの動く影は人間のものではなかったのかとあの時どうしても確認したくて動かしたい足を十四松が引き留めてくれてよかったと思った。もし彼方にいっていたら…。きっと戻ってはこれなかっただろう。

翌日その神社にいってみれば、鳥居は崩れてボロボロになっていた。中で助けてと声が聞こえた気がしたが俺は背中を向けて帰った。もう二度とここにこないように。

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