音楽室の話

お題:音楽室/VANBAN一松トド松小説

僕達が通っていた赤塚高校で、僕は「屋上の血だまり」を体験した

あの後からは極力、一人で行動するのはできるだけ避けたほうがいいと思ってた

でも実際には気をつけてもどうすることもできないときがあるのだと僕はわかった

僕と一松兄さんは音楽室の「音楽室の隠し階段」を体験した

僕達が音楽室の用事で2人しかもう残っていなかった時に、僕は不自然な扉を見つけた

こんなところにドアなんてあったっけ?

そう思って一松兄さんに聞いてみる

トド松「ねえ、一松兄さん。ここにトビラとかあったっけ?」

一松「あ?知らない、あったんじゃないの?前は結構楽器とかあったしそれで見えなかっただけじゃないの‥…」

今は文化祭の準備で楽器などは全部別の教室に運ばれて練習している

それもそうかと思い、別に気にも求めずに何の教室なのかみるためにあけた

すると目の前に広がっていたのが暗い階段だった

このときに変な恐怖感に煽られたから、すぐにドアを閉めようとした

でもなかった

さっきまでこの暗い階段を閉めていたドアがなかった

それと同時に階段の奥から声が聞こえてくる

「お兄ちゃん?」

『それ』は僕に話しかけているようだった

目を背けたい、でも離せれない

傍にいる一松兄さんに声をかけたいけれどできない

それが余計に怖くなっていく

声も近づいてくる、こっちに向かってきているのはわかりきっていた

これ以上ここにいてはいけない

そう聞こえる

でも動けない

一松兄さんは僕の様子には気づいてくれない

焦っているうちに僕と『それ』のきょりは近づき、ついには『それ』が手を触れそうになるくらいまでになっていた

見たくないのに、目を離すことができない

『それ』は、身長からすると僕と同じぐらいだった

肌がとても白く、生きていないことは明らか

その白く、細い手が僕の体に降れた瞬間、その手が僕の制服にしがみつき一気に暗い階段に引きづられる

夢だと思いたく、目をつぶる。でも夢とは思えない。怖い。恐怖の感覚でしかなく、しがみついていた手が離され、体が地面についた

まわりは暗く、ここが学校にようには思えない

トド松「ねえ!誰か!」

さっきまでの恐怖から逃げるように誰かいないか確認する

??「トド松?トド松なの?いるの?」

聞き覚えのある声、これは一松兄さんの声

さっきまで僕の後ろで一緒に用事をしていた一松兄さんがどうしてここにいるの?

1人でいるより、二人でいるほうが安心だからすぐに僕は声がする方向に走っていった

暗闇のなかでも、近くにいれば顔は確認できるぐらいの明るさ

うん、やっぱり一松兄さんだ

一松「どうして‥‥ここにいるの?」

一松兄さんはそう僕にそう聞いてきた

それは僕だと確信したような、そんな安心した滅多に見せない笑顔を僕に向けて、すぐに顔が真っ青になったいったのが分かった

一松兄さんの言い方はまるで「僕はここには来れないようにしていたはず」というような言い方だった

僕はさっき起こったことを話したほうがいいのか迷ってた

さっきのことを思い出すとあの時の怖さがまた全身に走るのがわかる

僕のそれに気付いたのか、一松兄さんは話を変え別の話題になった

一松「トド松が降りてきたのはどこだったの?」

いつの間にか暗闇に目がなれたのか、周りを普通に歩くぐらいまでの明るさになっていた

この部屋全体を見回しても僕が引きづりこまれたあのトビラのようなところは見えない

目の前に広がるのは太鼓の革がはがれたものなど、壊れて使い物にならない楽器の山だった

それがさらに妙なリアル感を感じさせる

楽器の山のせいか以外に狭い空間であるけど、階段のようになっているところが見当たらない

どうやって僕達はここから出ればいいんだ?

暗闇にいるとさっきの恐怖が鮮明に思い出してくる

だから僕はずっと一松兄さんの隣で腕にしがみついて一緒にどうするか話した

一松「どうするの、トド松」

トド松「どうもこうもないよ、僕怖い!なんで出口ないの!オカルトすぎ!」

一松「トド松はこういう体験した?」

トド松「思い出したくない!最近変なことしか起こらないもん!」

一松「変なこと‥‥ねえ、ヒヒッ」

一松兄さんは僕と話をしているときときどき後ろに目線をやる

何がいるのかわからないから何も言わないし、何も見たくない

暗闇のなかに何がいるのか、聞きたくない

怖い、一松兄さんを頼りにする

一松「ねえトド松、聞こえる?」

突然そんなことを聞いてくる

これはきいてはダメだと分かってるはずなのに聞いてしまう

トド松「何が?」

そうすると一松兄さんはしがみついていた腕を振り回し、手を離した

そして、一松兄さんのはずなのにどこかしら違う表情で答える

     ・
一松「お前らの大切な兄弟の声がよ?」

そういう一松兄さんの声はいつも出しているけだるげな声ではなく、とでも威圧感を漂わせるような声だった

これはさっき、僕をここにひきづりこんだ声の主とは違う、また別に何かだった

それはこちらに近づくわけではなく、逆に遠くにいく

しかし、その後ろから僕を引きずり込んだものが僕に近づいてくる

それを同時に突然後ろから手を取られるように僕の手をとり『あれ』がいるところとはまた逆の方向に動かしているのがわかる

使い物にならない楽器の山を軽々と越えていき、だんだん距離が遠くなる

僕を引きずりこんだものは必死に追いかけるけど、諦めたかのように動きが止まる

それと同時に明るくなり、耳に猫の鳴き声をした瞬間に僕の意識がなくなっていくのがわかった

——————

気が付けば僕は保健室のベットの上にいた

周りにはおそ松兄さん、カラ松兄さん、チョロ松兄さん、十四松兄さん…一松兄さんがいた

音楽室の上にあった荷物が僕の頭にぶつかって一松兄さんが呼びにいったらしい

一松兄さんが僕を背負って保健室に駆け込んだという話を聞いたときはびっくりした

実際にはそんなに体力がないことがわかっていたから、なおさら

だから僕はお礼を言った

————

トド松「ねえ、一松兄さん」

一松「何?」

トド松「一松兄さんよく僕を背負って保健室まで駆け込めたねー」

一松「…それは褒めてるの?けなしてるの?」

トド松「さあね?」

一松「ふーん‥‥」

トド松「…ありがとね」

一松「…うん、でもよかったよ」

トド松「なにが?」

一松「アレから助けることができてさ‥‥」

トド松「!?」

一松「いや、なんでもない…」

鳥肌ものだよ、あの一松兄さんの発言は…

一松兄さん、その後音楽室のタンバリンが勝手になったことについての話題逸らしをしたけどね、一松兄さん

なんでそんなに怖い話が好きなんだよ…

ホントに分からないよ…

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